2015年04月12日

天気予報男 今帰仁村の民話から

琉球農民天気予報男
源河の富家(げんかウェーキ)といって名護市源河に金持ちの家があった。
下男がいた。この人は、神様みたいに頭の髪を結って、何月何日の何時ごろ雨が降ると、図星当てた。

それで、これは神様みたいなひとだから、新しい着物を買って、ふんどしも新品を買ってきて、風呂に入れて体をみがいて立派にした。そしたら、翌日から天気予報が当たらなくなったって。

3カ年、4カ年もお風呂に入らない、顔も洗わない、ふんどしも洗わない。汚れたままで3カ年も4カ年もしていたら、当てられるらしいよ。天気予報は。
汚れたやつで、雨が降る前になるとジメジメと湿気があるらしい。それで雨が近いなあと。これで、何日か後は雨が降ると。

これは昔のおじいが、雨降りに畑に出れない時にこういう話しよったよ。

「今帰仁村の民話・伝承」今帰仁村教育委員会編 より


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2014年01月09日

志慶真乙樽の歌碑と北山騒動

今帰仁城跡 大庭にある歌碑
今帰仁城跡 大庭にある歌碑には、時折り花が飾られる。

今帰仁城跡に歌碑があります。歌碑は、今帰仁城にまつわる伝説の女性にちなんだもので、琉歌が詠まれています。

歌碑の主人公は志慶真乙樽(しげまうとぅだる、しじまうとぅだるとも読む)という女性です。乙樽は非常に美しかったので、今帰仁城主の目にとまり、側室として召抱えられます。一般庶民が今帰仁城主のもとに行くのは、昔は大変名誉なことだったのです。

当時、城主には子どもがなく、跡継ぎの誕生が待たれていました。城主が歳をとってから王妃に子どもがさずかり、志慶真乙樽がたいへんかわいがって育てた。というのが、この歌碑に詠まれた琉歌です。

♪今帰仁の城 (なきじんのぐすく)
霜成りの九年母 (しもなりのくにぶ)
志慶真乙樽が (しじまうとぅだるが)
ぬきやい はきやい (ぬちゃい はちゃい)♪

霜成りの九年母とは、霜がおりるころ、つまり季節はずれの九年母(くにぶ、柑橘類)。
城主が歳とってから、子どもが授かったことを意味する。

ぬきやい はきやい、は「はぬちゃい はちゃい」と読み、蜜柑類を首にかけたりはずしたりして子どもと遊んでいる様子。または、おんぶに抱っこと解する場合もある。

琉歌は8,8,8,6の偶数リズムで詠まれる
歌碑の正面、琉歌は8,8,8,6の偶数リズムで詠まれる。

歌碑の裏側、琉球政府文化財保護委員会が建立した
歌碑の裏側、琉球政府文化財保護委員会が建立したことがわかる。


さて、この歌碑の歌の背景には、もう一つのお話があります。それが「北山騒動」です。北山とは今帰仁城のことで、堅固なグスクである今帰仁の城をめぐって権力争いがありました。虎視眈々と今帰仁グスク乗っ取りを狙う家臣がいたのです。本部大主(もとぶうふしゅ)という人物です。

登場人物は、
黒幕の家臣、本部大主
今帰仁城主の側近の家臣、謝名大主
今帰仁城主の側室、志慶真乙樽
今帰仁城主の子、千代松 後の岡春
王妃

黒幕の本部大主が策略をめぐらします。今帰仁城主の側近の家臣、謝名大主(じゃなうふしゅ)が国頭地方で謀反が起こったとの知らせに、ただちに討伐に向かいますが、策略の罠にかかったのです。

側近の家臣、謝名大主が留守のあいだに、黒幕の本部大主は軍勢をひきいて今帰仁グスクになだれ込みます。折りしも、今帰仁城主の世継ぎ千代松の誕生祝の最中でした。

不意をつかれた今帰仁グスクの家臣や女たちは、戦いの備えもなく、逃げ惑うばかり。ようやく国頭地方からもどった謝名大主に助けられ、千代松と王妃、側室の乙樽は近くのクバの御嶽の岩屋に難を逃れますが、途中王妃は「産後でこれ以上歩けないから、この子を頼みます」と謝名大主と乙樽に千代松を託して志慶真川へ身を投げます。
朝を待って、3人は恩納間切り(今の恩納村)の山田大主を頼って逃げ、身を潜めます。

千代松が山田大主のもとで8歳になったとき、名を岡春と改め北谷間切り(今の北谷町)へ落ち延び下人奉公をしながら、今帰仁グスク奪還のチャンスを待つのです。

やがて、その時が来て、岡春は勘手納港(かんてなこう、現在も名護市仲尾次の港)に以前の家臣たちを集め、3千人の大軍を率いて今帰仁グスクを攻め取ります。乙樽は城内に駆けつけ、岡春と再会します。
この志慶真乙樽は、城主と岡春に対する忠誠と情けの深さから、後に、「神人」の位を授かります。【神人(かみんちゅ)とは、ノロの下で年中祭祀を行なう女性】

(この北山騒動の話は、民話・伝承です。語り部によって多少の違いがあり、またそこが面白いのです。同様に、先の歌碑の解釈は、人によって多少の違いがあります。当ブログの北山騒動の話は、記事投稿者によるリライトです。)

志慶真乙樽の肖像画
志慶真乙樽の肖像画、今帰仁村商工会が一般募集し選ばれた絵画。

参考書:「今帰仁城跡」今帰仁村文化財ガイドブック Vol.1 今帰仁村教育委員会編


ブログ内の関連記事:ガイドと歩く今帰仁城跡: うーみゃー(大庭)と呼ばれる広場は、神人の儀式が行なわれた所



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2009年06月23日

志慶真川は今帰仁城伝説にも登場する

志慶真川(しげまがわ)は今帰仁城伝説にも登場する川です。今帰仁城のすぐ東側を流れる川で、今帰仁城の水資源でもあります。しかし、なんといっても、今帰仁城を難攻不落!といわせた、断崖絶壁の谷川なのです。


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posted by gusukutarou at 23:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 伝説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月30日

今帰仁城伝説、宝刀千代金丸

伝説の舞台、テンチジアマチジ
伝説の舞台となった、護り神の御嶽。霊石はどこに?

今帰仁城の伝説の一つに「宝刀千代金丸」があります。

統一される前の琉球は三山時代と呼ばれ、北山、中山、南山が争っていました。
中山の巴志(後の尚巴志、しょうはし)は、北山王 攀安知(はんあんち)を倒すため、3千人の大軍勢をひきいて、今帰仁城を攻めました。3日間戦いましたが、難攻不落の城ですから、攻め込むことができそうにありません。このままでは、中山軍は不利になるばかり。

巴志は作戦を練り直します。攀安知王は武勇にすぐれているが、家臣は心服していない。家臣 本部平原(もとぶていはら)は武力にたけているが、策略に弱い。もっとも険しい谷側は必ず防備が手薄だ。夜、特使を忍び込ませ、本部平原に贈り物をして、説得したところ、計略に応じたのです。

翌日、本部平原は攀安知を城外に誘い出して戦わせます。そのすきに巴志の一軍が谷側から攻め込んでしまったのです。
激怒した攀安知は守護神として拝んでいた霊石を切りつけ、自害しようとしましたが、刀が切れません。そこで、刀を谷川に投げ捨て、腰の小刀で自害しました。この刀は後にひろわれて、首里の王家に献上されました。これが宝刀千代金丸です。

宝刀千代金丸は現存しています。しかし、このときの刀かどうかはわかりません。
切りつけた霊石はどこにあるのでしょう?この石を捜しに来たお客さんがいましたが、見た人はいないようですね。

関連記事:北山王が投げ捨てた名刀千代金丸 リッカ!今帰仁城
posted by gusukutarou at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 伝説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月19日

今帰仁城の石を切った包丁

今帰仁城の城壁、日本の城と比べて小さい石が多い
今帰仁城の城壁は日本の城と比べると、小さい石を大量に使っている。

今帰仁城にまつわる伝説のひとつに、「北谷(ちゃたん)なーちらー」があります。

北谷(ちゃたん:地名)にひとりの母親がいて、小さい子供をあやしながら、畑しごとをしておりました。菜切り包丁で収穫した野菜を切っていましたら、夕方になり、子供は腹をすかせて、むずかり始めました。もうすこしで仕事が終わるからね、と言いながら、包丁を振りましたら、子供の首が切れて飛んでしまいました。なんということでしょう。母親は嘆き悲しみましたが、この話は国中にひろまりました。一振りでなんでも切れてしまうという、妖刀は「北谷なーちらー」と呼ばれておりました。

今帰仁城では、城壁工事で硬い石を切るのに手間取っていましたので、石を切るためにこの包丁を献上させました。すると、石がどんどん切れて、じょうぶな城壁ができあがりました。今帰仁城の石にノミ跡がないのは、この「北谷なーちらー」のおかげだということです。後に尚王家の家宝となったそうです。なーちらーは菜切り包丁のことです。
posted by gusukutarou at 01:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 伝説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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